詩

出発~ルドン「堕天使はその時黒い翼を開いた」より~

『名画の詩集』

出発

~ルドン「堕天使はその時黒い翼を開いた」より~

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The Lost Angel Then Opened Black Wings, from Night|Odilon Redon|1886

俺 バカだからさ
よく分かってないんだ
なんで こうなっちまったのか

神様は俺を見放したらしい
これから何をしたらいいか
他の誰も教えちゃくれない

だって考えなくてもよかったからさ
決められたことだけやってれば
褒められて 讃(たた)えられて
いい気になって

ちょっと考えちゃって
マニュアル無視したのが
いけなかったのかなぁ
あれよあれよと
翼は煤(すす)けてコチコチさ

ぴたりと誰も敬(うやま)っちゃくれない
自分が偉いわけじゃなかったんだ
思い知った 俺の背中にあるのは
ただ重たいだけの飾り

最低な気分の朝
のこのこと昇ってきやがる太陽
俺が何者だろうと
一日は始まる

あーあ
いっそ切り落としちまえ
ゴリゴリと
飛べる俺は お終いなんだ

じんわり あったかい道を
裸足でペタペタ歩いて行くさ
「ガッデム!」
禁句の悪態を付きながら

べつにいいだろ
もう天使なんかじゃない
ただの人間なんだから

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出発しゅっぱつ
~ルドン「堕(だ)天使(てんし)はその時(とき)黒(くろ)い翼(つばさ)を開(ひら)いた」より~

俺(おれ) バカだからさ
よく分(わ)かってないんだ
なんで こうなっちまったのか

神様(かみさま)は俺(おれ)を見放(みはな)したらしい
これから何(なに)をしたらいいか
他(ほか)の誰(だれ)も教(おし)えちゃくれない

だって考(かんが)えなくてもよかったからさ
決(き)められたことだけやってれば
褒(ほ)められて 讃(たた)えられて
いい気(き)になって

ちょっと考(かんが)えちゃって
マニュアル無視(むし)したのが
いけなかったのかなぁ
あれよあれよと
翼(つばさ)は煤(すす)けてコチコチさ

ぴたりと誰(だれ)も敬(うやま)っちゃくれない
自分(じぶん)が偉(えら)いわけじゃなかったんだ
思(おも)い知(し)った 俺(おれ)の背中(せなか)にあるのは
ただ重(おも)たいだけの飾(かざ)り

最低(さいてい)な気分(きぶん)の朝(あさ)
のこのこと昇(のぼ)ってきやがる太陽(たいよう)
俺(おれ)が何者(なにもの)だろうと
一日(いちにち)は始(はじ)まる

あーあ
いっそ切(き)り落(お)としちまえ
ゴリゴリと
飛(と)べる俺(おれ)は お終(しま)いなんだ

じんわり あったかい道(みち)を
裸足(はだし)でペタペタ歩(ある)いて行(い)くさ
「ガッデム!」
禁句(きんく)の悪態(あくたい)を付(つ)きながら

べつにいいだろ
もう天使(てんし)なんかじゃない
ただの人間(にんげん)なんだから

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