辞世~フリーダ・カーロ「生命万歳」より~

『名画の詩集』

辞世

~フリーダ・カーロ「生命万歳」より~

当サイトは広告を利用しています プライバシーポリシー ※著作権フリーの画像を掲載しています 

Magdalena Carmen Frida Kahlo y Calderón 1954 Viva la Vida

最後にスイカをあげるわ
なんで?!
って びっくりする あなたの顔
見たかったな

どう?
赤い果肉に唇を寄せて
滴る果汁を舐めたくなるでしょ

私は いつまでも あなたに
フルーツみたいに愛されていたかった

できたら 傷ひとつ付いていない
まん丸のスイカで
つやつや笑っていたかった

叩かれても
陽気にポクポク鳴って
こいつは当たりだぜって
みんなに口笛を吹かれたかったわ

もう おしまい

私は とんだ規格外品だったけど
精一杯 綺麗にカットして
おすましフルーツで過ごしたの

負けなかった

種無しスイカだったけど
この世界に希望の種は蒔いてきた

さあ みんな 見て!
青い空の下に育つ命は
問答無用で 全て美しいの

万歳!
生きててラッキー!

私からのエール
じゃあ 楽しんでね

この絵を最後に、フリーダ・カーロは47歳の生涯を閉じました。

今年(2025年)より、パブリックドメイン(著作権の保護期間が満了)となった女性の画家さんです。
興味を持って、本を何冊か読んでみました。

生来の病気と不幸な事故。凄絶な痛みと闘う日々。
加えて夫ディエゴの浮気に苦しみ、自身も不倫に走る。

なんか……凄いエネルギー。
そして、死に臨んで描いた絵が、いきなりスイカ。なんで???

その理由を自分なりに考察して、今回の詩を書きました。

「自分は描くのよ! 自分を描くの!」
どの絵からも、執念のような思いを感じます。

創作を志す者として、噴き出す源泉みたいなカーロのエネルギーが羨ましい。
どんなに身体が痛みに悲鳴を上げていても、絵筆を握り続けた、彼女の強い意志が欲しい。

アンリ・ルソーにも見習いたいな。世に認められなくても描き続けた、独自作風の画家さんです。
今の私に足りないのは、この二人のエキスですね💧

『名画の詩集』 こちらもどうぞ↓

【アンリ・ルソーの詩集】

【ルドンの詩集】

【クリムトの詩集】

随時、更新していきます。お楽しみに!

読んで下さって、有難うございます! 以下のサイトあてに感想・評価・スキなどをお寄せ頂けましたら、とても嬉しいです。

ロゴ画像からサイトの著者ページへと移動します

ランキングサイトにも参加しています。
クリックすると応援になります。どうぞよろしくおいします↓

間仕切り線

そうフリガナばんは、こちら↓

辞世じせい
~フリーダ・カーロ「生命(せいめい)万歳(ばんざい)」より~

最後(さいご)にスイカをあげるわ
なんで?!
って びっくりする あなたの(かお)
()たかったな

どう?
(あか)果肉(かにく)(くちびる)()せて
(したた)果汁(かじゅう)()めたくなるでしょ

(わたし)は いつまでも あなたに
フルーツみたいに(あい)されていたかった

できたら (きず)ひとつ()いていない
まん(まる)のスイカで
つやつや(わら)っていたかった

(たた)かれても
陽気(ようき)にポクポク()って
こいつは()たりだぜって
みんなに口笛(くちぶえ)()かれたかったわ

もう おしまい

(わたし)は とんだ規格外品(きかくがいひん)だったけど
精一杯(せいいっぱい) 綺麗(きれい)にカットして
おすましフルーツで()ごしたの

()けなかった

(たね)()しスイカだったけど
この世界(せかい)希望(きぼう)(たね)()いてきた

さあ みんな ()て!
(あお)(そら)(した)(そだ)(いのち)
問答(もんどう)無用(むよう)で (すべ)(うつく)しいの

万歳(ばんざい)
()きててラッキー!

(わたし)からのエール
じゃあ (たの)しんでね

免責事項・著作権について リンクについて

間仕切り線