詩

一炊の夢~アンリ・ルソー「夢」より~

『名画の詩集』

一炊の夢

~アンリ・ルソー「夢」より~

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La Rêve|Henri Rousseau|1910

誰も教えてくれないけど
ここはジャングルで

聞こえてはこないけど
どこかで悲鳴が上がってる

ライオンだって心配そう
 気をつけなよ
 強くたって油断はできない

サイは用心深く隠れてる
 罠は あちこちに潜んでる
 引っかかる奴が馬鹿なんだよ

ヘビは口も利いてくれないし
鳥は よそ見してる
むわりとした夜
眠れない夜

今まで 見えてなかっただけだ
独りぼっちで立った時
ようやく ちゃんと目が開いた

弱肉強食の掟は
建前という壁の裏側に
べったり貼り付けられている

生きていけるかな?

さあっ……と
月の光が 答えを照らし出した

 奪われて 踏みにじられても
 駆け寄って助けてもらえると思うな
 泣いて乞う暇があったら
 全速力で逃げ出せ

うん、わかった
お上品な服も
この身を飾り立てる宝石も
クローゼットにしまっておこう

謙遜は命取り
嘘のつけない場所で
私は何を求めるんだろう

世界に花は咲いている
草は伸び続けている
蛇使いが曲を奏でている
どうせなら楽しもうよと

そして私はソファーの上で
裸になって歌い出す

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一炊いっすいの夢ゆめ

~アンリ・ルソー「夢(ゆめ)」より~

誰(だれ)も教(おし)えてくれないけど
ここはジャングルで

聞(き)こえてはこないけど
どこかで悲鳴(ひめい)が上(あ)がってる

ライオンだって心配(しんぱい)そう
 気(き)をつけなよ
 強(つよ)くたって油断(ゆだん)はできない

サイは用心(ようじん)深(ぶか)く隠(かく)れてる
 罠(わな)は あちこちに潜(ひそ)んでる
 引(ひ)っかかる奴(やつ)が馬鹿(ばか)なんだよ

ヘビは口(くち)も利(き)いてくれないし
鳥(とり)は よそ見(み)してる
むわりとした夜(よる)
眠(ねむ)れない夜(よる)

今(いま)まで 見(み)えてなかっただけだ
独(ひと)りぼっちで立(た)った時(とき)
ようやく ちゃんと目(め)が開(ひら)いた

弱肉強食(じゃくにくきょうしょく)の掟(おきて)は
建前(たてまえ)という壁(かべ)の裏側(うらがわ)に
べったり貼(は)り付(つ)けられている

生(い)きていけるかな?

さあっ……と
月(つき)の光(ひかり)が 答(こた)えを照(て)らし出(だ)した

 奪(うば)われて 踏(ふ)みにじられても
 駆(か)け寄(よ)って助(たす)けてもらえると思(おも)うな
 泣(な)いて乞(こ)う暇(ひま)があったら
 全速力(ぜんそくりょく)で逃(に)げ出(だ)せ

うん、わかった
お上品(じょうひん)な服(ふく)も
この身(み)を飾(かざ)り立(た)てる宝石(ほうせき)も
クローゼットにしまっておこう

謙遜(けんそん)は命取(いのちと)り
嘘(うそ)のつけない場所(ばしょ)で
私(わたし)は何(なに)を求(もと)めるんだろう

世界(せかい)に花(はな)は咲(さ)いている
草(くさ)は伸(の)び続(つづ)けている
蛇使(へびつか)いが曲(きょく)を奏(かな)でている
どうせなら楽(たの)しもうよと

そして私(わたし)はソファーの上(うえ)で
裸(はだか)になって歌(うた)い出(だ)す

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