『名画の詩集』
性(さが)
~速水御舟「炎舞」より~
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速水御舟(はやみぎょしゅう)「炎舞(えんぶ)」
1925年 重要文化財
呼ぶ声が聞こえた
おいで
求めるものは ここにある
違う
それは自分の体に埋め込まれた
己自身の声
そう気づいた時には
目の前で炎が燃えていた
掴み取りたい
ただ闇雲な欲求に突き動かされ
繰り返し手を伸ばしては
諦めきれずに舞い続けている
愚かだ
きっといつか
自分の羽が燃え落ちる音を聞くだろう
炎の舌が体を舐めるまで
炎を宿した赤い瞳で
ひたすらに見つめて
これよりも美しいもの
これよりも熱いもの
これよりも烈しいもの
そうだ 私は創りたいのだ
命が虜になるほど

重要文化財(じゅうようぶんかざい)
これまで題材にした絵画は多いですが、初めて出てきました。
よく聞くけれど、具体的にはどういう物のことだっけ?
日本の文化財保護法に基づいて、国が指定する貴重な文化財。
建造物、美術工芸品、考古資料、歴史史資料など。
文化庁が審査を行い、文化財の価値を評価した上で指定される。
なるほど。これまでは、外国の画家ばっかり取り上げてましたからねえ。
速水御舟「炎舞」
御舟は、軽井沢で焚火をし、観察したそうです。
炎の揺らめき。蛾の羽の質感、飛翔するさま。
それを徹底的に研究し、極めて緻密に描写した結果、この傑作は生まれました。
確かに。前回の「闘蟲」もそうですね。

セミの羽が、ぼやけています。必死に羽ばたき、最期の抵抗をする様が伝わってきます。
ぞっとしました。紙に描かれた絵なのに、そこまで表現できるんだ。
動き。鳴き声。夏の、ねっとり暑い空気。固い土の感触。
無表情な昆虫の、無慈悲な狩りに使われる凶器。その固いカマキリの鎌に生えた、柔らかな毛。
捕らえられたセミの目に宿る、悲哀……。
先だって取り上げた横山大観にも、重要文化財に指定された作品がありました。

横山大観「生々流転」1923年
幅40メートルもある大作。すごい!
あれ? じゃあ、「国宝」もよく聞くけど、それは何?
重要文化財の中で、特に価値が高く国民的な宝とされるものは、「国宝」に指定される。
おお! つまり、ザベストオブ重要文化財!
国宝の一例は、こちら。

鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)
平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて制作されたとされる絵巻物。
京都の高山寺に伝わる。
擬人化された動物たちが生き生きと描かれており、「日本最古の漫画」とも称されている。
ときたら、びじゅチューンの、「鳥獣戯画ジム」でしょう! 大好き!
ぜひ検索して見てみてね!
※この一番下に、詩の総フリガナ版を掲載しています

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性~速水御舟「炎舞」より~
呼ぶ声が聞こえた
おいで
求めるものは ここにある
違う
それは自分の体に埋め込まれた
己自身の声
そう気づいた時には
目の前で炎が燃えていた
掴み取りたい
ただ闇雲な欲求に突き動かされ
繰り返し手を伸ばしては
諦めきれずに舞い続けている
愚かだ
きっといつか
自分の羽が燃え落ちる音を聞くだろう
炎の舌が体を舐めるまで
炎を宿した赤い瞳で
ひたすらに見つめて
これよりも美しいもの
これよりも熱いもの
これよりも烈しいもの
そうだ 私は創りたいのだ
命が虜になるほど






































