ユディト~クリムト「ユディトⅠ」より~

『名画の詩集』

ユディト

~クリムト「ユディトⅠ」より~

アッシリア軍に包囲された、ユダヤの町ベトリア。
美貌の未亡人ユディトは、諦めて降伏しようとする町長に申し出た。
「私が、敵陣に乗り込み、油断させて、総大将ホロフェルネスを討ち取って参ります」

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「か弱い女」が
本当に弱いのか

血の(したた)る生首が 戦利品
か細い指で それを掲げて

もしも この肉体も
色気も (こび)
か弱さでさえ
全てを叩き込むとしたら

きっと 男と女は イーブンに戦える

「祖国のため」
なんて
男だって実はどうだっていいんでしょ?
命を支配する恍惚(エクスタシー)
それを感じる場所が
男と女で違うだけ

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ユディト
 ~クリムト「ユディトⅠ」より~

アッシリア(ぐん)包囲(ほうい)された、ユダヤの(まち)ベトリア。
美貌(びぼう)()亡人(ぼうじん)ユディトは、(あきら)めて(こう)(ふく)しようとする町長(ちょうちょう)(もう)()た。
(わたくし)が、敵陣(てきじん)()()み、油断(ゆだん)させて、総大将(そうたいしょう)ホロフェルネスを()()って(まい)ります」

「か(よわ)(おんな)」が
本当(ほんとう)(よわ)いのか

()(したた)生首(なまくび)が 戦利品(せんりひん)
(ぼそ)(ゆび)で それを(かか)げて

もしも この肉体(にくたい)
色気(いろけ)も (こび)
(よわ)さでさえ
(すべ)てを(たた)()むとしたら

きっと (おとこ)(おんな)は イーブンに(たたか)える

祖国(そこく)のため」
なんて
(おとこ)だって(じつ)はどうだっていいんでしょ?
(いのち)支配(しはい)する恍惚(エクスタシー)
それを(かん)じる場所(ばしょ)
(おとこ)(おんな)(ちが)うだけ

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