ひまわり～クリムト「ひまわり」より～

『名画の詩集』

ひまわり

～クリムト「ひまわり」より～

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Gustav Klimt|Sunflower|1907

うなだれて
俺は途方に暮れている

何が　いけなかった？
直球しか投げられない自分に
ひょろひょろ　遠回しな答えが返ってきて
いくらキャッチボールを続けても
君の気持は拾えなかった

とっくにゲームオーバー
俺が気づかなかっただけ

伝わっていると思い込んでいた
言葉にしなくとも
見つめる眼差しで
髪を撫でる仕草で
細い体を抱きしめる力で
君が好きだと

君の微笑み
嬉しそうに赤らめた頬
腕の中で震える　細い体
「あなたが好き」
愛を紡ぐ　紅い唇

思い出が
びっしりと頭に詰まっている
たとえ蒔いたとしても
あの日の花を見せて枯れるだけ
実など結ばぬ　むなしい種

後生大事に抱えて
まだ　俺は突っ立っている

ひと夏　咲かせて
終わりにするつもりなど　なかったよ
破れた恋の終わりには
ひまわりが残るだけ

「ひまわり」といえば、ゴッホ。
でも、クリムトの描いたひまわりの方が、私は好きです。
どーんと一本きり。まるで、うなだれた人のように見えました。

ここで、「接吻」と見比べてみて下さい。

Gustav Klimt ｜The Kiss｜1907

シルエットが重なるでしょう？
愛し合う二人と、一人きりになってしまったひまわりが。

クリムトがどんな思いで描いたのかは分かりません。
この「ひまわり」は、彼の愛した女性、エミーリエ・フレーゲなのだという説もありました。

でも、こっちの方が面白いし。
野太い茎や、わさわさ茂った幾枚もの葉。
どちらかというと、私は男性の逞しさを感じます。

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【アンリ・ルソーの詩集】

【ルドンの詩集】

【クリムトの詩集】

随時、更新していきます。お楽しみに！

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ひまわり
～クリムト「ひまわり」より～

うなだれて
俺(おれ)は途方(とほう)に暮(く)れている

何(なに)が　いけなかった？
直球(ちょっきゅう)しか投(な)げられない自分(じぶん)に
ひょろひょろ　遠回(とおまわ)しな答(こた)えが返(かえ)ってきて
いくらキャッチボールを続(つづ)けても
君(きみ)の気持(きもち)は拾(ひろ)えなかった

とっくにゲームオーバー
俺(おれ)が気(き)づかなかっただけ

伝(つた)わっていると思(おも)い込(こ)んでいた
言葉(ことば)にしなくとも
見(み)つめる眼差(まなざ)しで
髪(かみ)を撫(な)でる仕草(しぐさ)で
細(ほそ)い体(からだ)を抱(だ)きしめる力(ちから)で
君(きみ)が好(す)きだと

君(きみ)の微笑(ほほえ)み
嬉(うれ)しそうに赤(あか)らめた頬(ほお)
腕(うで)の中(なか)で震(ふる)える　細(ほそ)い体(からだ)
「あなたが好(す)き」
愛(あい)を紡(つむ)ぐ　紅(あか)い唇(くちびる)

思(おも)い出(で)が
びっしりと頭(あたま)に詰(つ)まっている
たとえ蒔(ま)いたとしても
あの日(ひ)の花(はな)を見(み)せて枯(か)れるだけ
実(み)など結(むす)ばぬ　むなしい種(たね)

後生(ごしょう)大事(だいじ)に抱(かか)えて
まだ　俺(おれ)は突(つ)っ立(た)っている

ひと夏(なつ)　咲(さ)かせて
終(お)わりにするつもりなど　なかったよ
破(やぶ)れた恋(こい)の終(お)わりには
ひまわりが残(のこ)るだけ

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